みんなの食堂「スプーン」×一ノ宮児童館

ずらりと並んでいる自転車に圧倒される広場前@一ノ宮児童館。ちょうど前を歩いていたママが「今日、すごいね、もう満員なのかな。」って、よちよち歩く子どもと手をつなぎながら会話していたけれど、そりゃ…私も、本当に驚いたし。

 

先日、点灯式を見に行ったけれど、手づくりのランタンは聖蹟桜ヶ丘駅から児童館のちょうどいい木に場所を変えて、飾ってあるのもうれしくて、館内も古くて傷んでいても‥‥ちゃんと掃除がされていて、窓には子どもたちが喜ぶクリスマス仕様の飾りつけ。

そして、私の今日のお目当ては…子ども食堂というか、地域の皆さんも共に…「誰でも食堂」の実施団体である「スプーン」さんの活動です。

のれんの向こう側では…「メリークリスマス」で、子どもたちへのプレゼントが配布され、「無料スーパー」が行われていたのです。たまたま中心的に活動されている方にお目にかかる機会があり、ご案内をいただくというラッキーな縁に恵まれたので、どんな活動をされているのかしら…ととっても楽しみにしていました。

子どもたちには「明日、サンタクロースさんが来るといいねえ。」と声をかけながらのお菓子セット配布。午前中でしたので子育て広場に遊びに来ている親子を対象にしたクリスマス企画。午後からは小学生対象に同じくお菓子セットの配布が予定されていました。

 

赤ちゃんを抱っこしているママ、ヨチヨチ歩きの子どもと一緒にくるママ…乳児、幼児期前半の子どもたちって、本当にかわいい。大人がつけていたトナカイのヘアバンドが怖くて、泣き出すような感受性の強い子どももいたり。

 

受付では「お子さんは何人いらっしゃるの?」…と一緒に児童館には来ていないお子さんがいるかどうかも保護者の方に確認し、「お家で取り合いにならないようにね…」と兄弟姉妹の分も手渡ししてあげるという心遣い。また、赤ちゃんを抱っこしている場合には無料スーパーで選んで袋に詰めるという作業をするのに一苦労するわけで、そこはさすが!子育て広場の職員さんがちゃんとフォローに来ていたりして、何という連携プレー。

 

「私が抱っこしているから、いいよ。」…という声掛けは本当に温かいですね。こうした一言がうれしい。子どもを連れて、大人都合の買い物をするって本当に大変なことなので、ちょっと助けてくれるだけでも、ものすごいありがたい。ほんのちょっとの声掛けだけで救われる…その時の感謝とか、ホッとする気持ちが子どもに向き合う心の余裕につながるんだよなあ…。

 

話しを戻すと、ママたちは「子どもにクリスマスプレゼント」のつもりで来たところで「無料スーパー」…市民や企業の方からフードバンクなどに寄せられた品物、子ども食堂への寄付などなどをズラリと並ぶテーブルから、「ここから好きなものを選んで!」と。

お米、お餅、缶詰類、レトルトカレー、パスタソース、ホッカイロ、ティッシュペーパーなどなど…最初はとってもたくさんで、選ぶのにもあちこち目移りしてしまいそうな感じ。それぞれ銘々…ママやパパ主導で好きなものを選んだり、子どもが好きなものを選んだりと…親子それぞれで選び方にも個性があったりして…。とにかく、いらした方が皆さんすべてが「本当にいいんですか?」「こんなにいいんですか?」「すごくうれしい、ありがたい」と目がキラキラになっていて‥‥。思わぬところでママ、パパにもプレゼントに感謝感激している姿に次々と出会うことができました。

プレゼント配布、無料スーパーも来た順番に番号札をもらう方式で、入口のところで児童館職員さんが対応。お部屋が密になり、混みあわないような配慮をしつつ、全員にプレゼントが行き渡るようにと「無料スーパー」は「一人5つ選んでいいよ!」から、急遽途中から「一人3つ」になったものの、それでも、「家計大助かり!」の品物にママやパパたちは感謝感謝の気持ちあふれ、笑顔いっぱいで帰っていく姿が印象的でした。

 

もともと「スプーン」さんの活動は児童館のキッチン(そんなオシャレではない)を活用し、「カレーライス」を子どもや地域の皆さんに提供する活動を展開するところからスタートしていたそうで…その時には毎回130食ほどを作っていたそうです。今日は時間がなかったので、それほど詳しくヒアリングできなかったものの、決して広くない場所(というか狭い)での活動ですので、大盛況すぎて‥‥一体現場はどんな感じだったの?…と想像すると目が回りそう。残念ながら、コロナ禍では「飲食の提供」は中止せざるを得ないわけであって、児童館という公共施設の中であればなおさら…。でも、子どもの成長は止まってくれないし、子育てもお休みにはならないし。子育てがお休みにならないその大変さがわかるからこそ、何かやらなければならない…って思うんですよね。

 

だからこそ、活動を休止せざるを得なくても、しかし、他に何かできることを…と見つけ出して、やれることに取り組んで活動を継続させていく…「子どもを支えよう」「子育てを支えていこう」という地域の皆さんの想いで行われた今日の企画。フードバンク活動の核になっている社会福祉協議会も全面的にバックアップされていました。なんてありがたいことなのでしょう。すべてがボランテイア。

 

児童館子育て広場の職員さんが、プレゼントを受け取った子どもとともに、ママやパパたちの反応、機微も含めてしっかりキャッチされておられましたが、「スプーン」のみなさんが今日のクリスマス企画で感じ取られた手応えというのは「次もやらなければ」に確かにつながるものであったと思われます(勝手ながら)。そのくらい、良き取組み。

 

私自身も子どもたちの反応以上にママやパパたちの表情を見ながら、「子育て支援活動」の一つとして意義ある活動だなあと「とてもうれしい気持ち」でいっぱいでした。そして、「児童館すばらしい」と心の内で大絶賛。言うまでもなく、「地域を良くしたい」「子どもたちのために何かできることを」って活動してくださる方の存在があって成立するですが、それでも、「一緒にやりましょう」と動いてくれる児童館でなければ、実現ができないことだからです。

 

そもそも、児童館で「誰でも食堂」の活動をやっていたの?!…に驚くところから始まっているわけですが、地域と一緒に相乗効果で児童館機能を発揮させていく事例の一つ、モデルの一つですね。これから求められるのは「福祉的」な側面からの児童館の評価であり、地域へのアプローチ。「いかにも福祉」ではなくって、さりげない「支援」ができる児童館がますます求められますから。みんなで「いただきます」はできなくとも、今日のような取り組みは子育て家庭を支援する、「食」の支援という面からも「超絶重要!」ってところでしょうか。

想像以上に盛況すぎて、午後の小学生たちに配布するプレゼントが足りなくなってしまったという…。お昼休みに買い出しに行く…作戦会議の風景。ちなみに、午前中のプレゼント配布数は71個でした!50組以上の親子が参加。すごっ。「スプーン」のみなさま、おつかれさまでした。そしてありがとうございました。一ノ宮児童館もこれからもぜひ、良き活動を続けていってください!