ねりまこども食堂の秘密♪

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昨日は諏訪小学校のランチルームでハーモニーカフェ。支えるスタッフに共通しているのは・・・・「こども食堂」というと貧困対策・・・で福祉の観点が強調されてしまうけれど、私たちがハーモニーカフェでやりたいことは福祉サービスではない!ということ。ゆるやかなつながり、おじちゃんやおばちゃんたちが怪しまれないで、地域の子どもたちとあいさつできるような環境づくり・・・・そして困ったときはお互い様だよね♪・・・・って言い合えるような関係づくり。

おいしいものを一緒に食べて、一緒に笑顔になる。

「同じ釜の飯を食う」・・・・不思議と仲良くなれるというか、幸せな気分になって・・・知らないどうしでも、食べ終わった時には一緒に「ごちそうさまでした♪おいしかった!」って言葉を分かち合えるような・・・・そんなカフェになったらいいなと思っています。

さて、今日はこども食堂・・・の先駆け・・・「ねりまこども食堂」の金子さんにお話を聞いてまいりました。つないでくれたのは中高の後輩です。元々アナウンサーで、今でも話し方教室などの講師を務められている金子さんはテレビ番組で「こども食堂」の存在を知り、とてもショッキングだったそう。そして、「やらなきゃ!」って思い立ったら吉日とばかりに、動いて動いて、実にチラシは全部で3000枚を地域に配布して、知り合いにも協力を呼び掛けて寄附募って・・・・そして、ご縁のあった真宗会館さんに場所をお借りする交渉をして、ネットで呼びかけて集まったボランティアスタッフとともに活動を始めました。とにもかくにも金子さんにみなぎるパワーには終始圧倒され、こんなにも楽しいインタビューも久々♪

それにしても、「こども食堂」はいまやトレンドと言うかブームと言うか・・・・金子さんが活動をスタートさせた当初、全国でも「こども食堂」は稀有な存在であり、10もなかったのではないか?とのことですが、一気に広がり、既に100を超える活動団体があり、正確な数は把握しきれないとのこと。もちろん、草分け的存在でもある「ねりまこども食堂」に学びたい人は多く、今でも金子さんのもとには全国から「私もやりたい!」と思いを持つ人たちが続々訪れているそうです。あまりにも個別対応をしているとさばききれないため、「こども食堂のつくりかた講座」なるものを開催しているそうですが、実に・・・講座は100人待ち!という状態なんだとか。いやはや・・・おそるべし。

しかし、なぜ、こんなにも凄まじい勢いで広がっているのでしょう。

やはりそこには、ニーズがあるから!ですね。今は「こども食堂ネットワーク」も発足して、シンポジウムなども行われていますが、これだけ注目をされている理由は、ただ単に「ご飯を食べることができる」とか「貧困対策」なんてものを越えたところ・・・・「こども食堂」には地域の人をつなぐ力、コミュニティを取り戻す力を何となく感じている人が多いからではないか?って思います。金子さんがおっしゃるように「子どもたちがお腹いっぱいにご飯を食べられる。そして大人も一緒に食べることができる。誰一人損する人はいない。みんなが幸せな気持ちになり、やさしくなれる」からなんだって思います。でも、あくまでも「会費制の食事会」として活動しているので、限界があるわけで・・・すべての人を受け入れることは難しいという限界はあるのですが・・・・。

 

まさに、昨日のハーモニーカフェ@諏訪小学校を思い出しつつ、金子さんのお話しを伺っていたのですが、「家でもなく、学校でもなく、もう一つの子どもの居場所を地域で作ってあげたい」という言葉がとっても印象強く残りました。それって、子どものみならず、大人でも同じことが言えるように思います。「家でもなく、会社でもなく・・・・もう一つの居場所」・・・「サードプレイス」。私、「こども食堂」はもしかしたら、子どもにとっても大人にとってもサードプレイスにもなれるような「場」かもしれないなって、そう思いました。なので、「こども食堂」って、こどもたちの徒歩圏内にいくつもあってもいいかも。今日はA食堂、明日はB食堂、その次の日はC食堂に行く・・・なんてことがあってもいいな♪って思います。一カ所でやるよりもいろんな食堂があった方が選択肢も増えるし、むしろその方が一カ所一カ所の活動が無理なく継続されていくような気がします。

また、「こども食堂」は、「美味しいものを食べて、身体も健康になって、そして心も健康になって・・・そして、いろんな大人がいて、いろんな生き方の選択肢があることを子どもたちに知らず知らず伝えていけるような『場』」にもなっていくような気がします。金子さんは「こども食堂」の活動を通じて出会う子どもたちの姿などから、「子どもたちの世間がとっても狭すぎる」と感じているようです。別の言い方をすると「いろんな大人がいることを知らない。」ということ。「親あるいは先生」以外の大人とはあまり接したことがない子どもが多い・・・・なので、「こども食堂」でいろんな大人たちと子どもがふれあえることもとてもいい経験になっていくのでは?とおっしゃっていました。ここにも共感♪

「やりたい人はとりあえずやってみる」・・・やってみないと課題は見えてこない・・・という言葉にも妙に説得力。最初から行政の力を借りてやろうとするといろんな意味で縛りが出て、逆にやりづらくなってしまうこともあるかもしれない・・・・ということにも共感♪また、告知のために作成したチラシも・・・「金子さんって誰?何をやろうとしているの?」と福祉事務所に置いてもらうことすらできなかったわけですが、今では練馬区として「区内のこども食堂」の案内紹介チラシを作成する予定になっているらしく、問い合わせがあったそうです。行政の対応ぶりの変化も、何だか想像できる・・・・。

ということで、でも、私の感想は・・・「ねりまこども食堂」の秘密♪・・・やっぱり「人」だなあって思いました。「活動を知ってもらうためにも取組み内容をきちんと報告をしていくこと」「いろいろなかたちで寄附を寄せてくださる方にはその『志』にどう対応したかをきちんとお返ししていかないと」・・・ということで、お礼状を書いたり等など・・とてもこまやかになさっているようでした。活動報告のブログはこちら!こうした金子さんの取組み姿勢が共感を呼び、さらにつなぎ、広げていくのでしょうね。なので、食材なども全国からの寄付がとてもたくさん集まっているそう。そして使いきれない食材については他のこども食堂さんとシェアしているそう。八面六臂・・・そんな言葉がぴったり。今日はお話を聞いただけでお腹がいっぱいになりましたが、来月の「ねりまこども食堂」にはご飯を食べにおじゃまする予定です♪