ただ、「新しくすれば」ではないだろう。

 

今日は渡辺しんじ議員のお父上のご葬儀に参列。三階副議長をはじめとする公明党の多摩市議の皆さんともご一緒させていただきました。青空でよかったなと思いました。

その後、愛宕かえで館へ。あたごミニバス運行委員会の総会でした。愛宕地域は市内でも高齢化も進み、路線バスもとおっているとはいえ、バス停から自宅に至るまでの高低差が課題とされてきました。そこで、住民の皆さんが2007年に「ミニバスを考える会」を立ち上げ、「ミニバスを走らせる会」へ、そして、「あたごミニバス運行委員会」と発展させ、今日に至っています。つまり足掛け10年ということになります。私が印象的に覚えているのは、運行委員会の皆さんが、多摩市と京王バスと協定を結び、そこに東京都市大学の小池研究室が全面的に加わって実証実験をしたということ。実証実験ではシルバーバスが使用できなかったため、乗客数が振るわなかったとする記憶もあります。その後、ミニバスにもシルバーパスが使用できるようになり、「より必要な人が乗りやすく」なりました。あたごのミニバスはそれ以前から走っていたミニバス南北線のルート変更というかたちで実現していますが、乗客数は年間約8万人ほどになっています。この数字が多いか少ないかの評価は別としても、ミニバスに助けられて、出不精にならないで日々を過ごすことのできる方は少なくないでしょう。

実は今日の総会は運行委員会の解散式にもなりました。役員の高齢化や後継者不在の現実もあり、ここで大きな決断を下されたようです。一定の目的は達せられたとはいえ、いくつか懸案事項、課題も残されており、特に「バス停の増設」については悲願でもあるよう。それでも、こうして解散を決めざるを得なかったことへの苦渋を私をはじめ、出席していた伊地智議員、いいじま議員ともに受け止めさせていただきました。もちろん、市長も出席し、担当部長、課長も出席していましたので、「解散したから終わり」ではないことを共有できたはずです。バス停増設などの問題はそうそう簡単に解決できるものではなく、警察との折衝なども必要となりますが、せっかく実施するのだから、より住民ニーズに寄り添ったものとして充実させていきたいですね。

しかし、こうして、住民発の小さな運動が発展してミニバスルートの開設へと結びつけた歴史は語り継がれるべきものではないかと思います。さらには大学の研究室とも協働して取り組んだということも。ひとつのモデルになるでしょう。大学研究室で関わった学生さんも今日の総会に出席されていましたが、愛宕地域の皆さんと一緒に取組んだ経験が社会人になっても活かされていると謝辞を述べられておりました。そして、当時ミニバスを走らせようとPR活動を手伝ったときのキャラクター入りのクッキーが今日の出席者一人ひとりに、お礼の寄せ書きとともに手渡しされました。感慨深い瞬間でした。

ニュータウンの高低差・・・「移動手段」をどうするか?ここは街全体の課題です。最後に、ご挨拶をされた東京都市大学の小池先生が「10年前から取り組んで『今』がある」と語っておられましたが、10年後を見据えて『今』をどう捉え、そしてまた課題解決の道筋を描いていくか…目先のことばかりで考えていてもダメですね、きっと。

その後、一旦帰宅して、告別式のままの喪服を着替えてから、女性センターへ。「女と男がともに生きるフェスティバル2017」へ。阿部市長とこの同じ行動で…まずは、河野貴代美さんのお話しを伺ってから、LGBTと私たちの「これから」についてをテーマにした企画に同席してまいりました。河野さんのお話しからは「自分の気持ちに正直、素直に向き合う」っていいなあと改めて感じさせられ、LGBTに関連する企画の方は当事者の方からカミングアウトした時の瞬間などの話し、そしてまた当事者を支援したいと活動している大学生の皆さんからの話を聴くことができ、これまた意義あるひとときでした。多摩市が制定した「女と男の平等参画を推進する条例」にはセクシャルマイノリティに関する対応も進めていくことが明記されていて、画期的な条例です。これに基づいて女性センターには相談窓口もあります。条例が後押しとなり、多様性を認めあえる社会に向け、地域から地道な一歩を重ねていく…その必要性を感じましたし、確実に一歩ずつ進んでいることも感じました。

そろそろ「女性センター」という名称も再考する時期なのかもしれません。

いろいろ盛りだくさん学んだあとは、桜ヶ丘商店会連合会の総会後懇親会に阿部市長も一緒に来賓として参加。こいそ明都議も挨拶をしにいらっしゃいました。「桜ヶ丘地域全体を考えていくために行政や議会もともに考えていくような場づくりをしたい」とする新たな方針が披露されましたが、ぜひ、議会も協力させていただきたいですね。聖蹟桜ヶ丘駅の北口には再開発も既に予定されています。さまざまな立場からみなが知恵を出し合っていくこと…もちろん時には立場の違いでぶつかり合いもあるかも…しかし、こうした議論を重ねていくことが地域を豊かにしていくと私は思います。

懇親会でいろいろな方にお会いし、意見交換もさせていただき、帰路に着きたいところですが、多摩白門会の総会、懇親会と終わり2次会開催中でしたので顔を出しまして…先輩方とお話しをさせていただき、「がんばらなきゃ!」という気持ちを入れ直したところ。

 

「ふるい議会をあたらしく」

 

というフレーズが宣伝されていますが、私はこのキャッチに違和感。何が古くて、何が新しいんだろう?憲法でも地方自治法にある「地方議会」のかたちに対する問題提起なんだろうか?ただ、新しく…というだけでは変わらない。何を新しくしたいのだろう。メンバー総入れ替えになると、かえって議会として組織力が低下することもまた現実なんだけれど…。いいかたちでの新陳代謝が必要だけれど、刷新することばかりが全てではなく、議会機能がさらに低下し、議会の力がもぎ取られていくような構図になるとしたら本末転倒。