ここに住まう人のことも考えて!

20151207

今日で一般質問は終了しました。向井かおり議員の「アスベスト対策」についての質問は行政のみならず、議員もちゃんと勉強をしておかねばと思うような内容。アスベストが含まれている建造物のことを見過ごすことはできないですね。国にきちんとその対応を求めることがまずは第一義的にはできることかなと思いながら聞いていました。また、いぢち恭子議員の女性相談に関する質問ですが、まだまだ女性の立場を考えるとき「女性」に特化して対応できる場所があることの必要性はあると思う一方で、これまではほとんど取り組んでこなかったと言えるLGBTへの視点を付け加えた中で、新たな事業展開もしていかねばならないと思っているので、なかなか考えさせられるものでした。

そして、折戸小夜子議員からは、上ノ根大通りのモミジバフウ並木のことと松枯れの問題に指摘と意見がありました。モミジバフウについては当初予定よりも伐採本数をかなり減らす対応をしているものの、通り沿いの風景、景観を大切に考える市民にとっては理解しがたいところ。伐採をする必要はなく、剪定で対応すべきとする方々のご意見と、市側見解とは平行線です。市側は樹木医の意見なども参考にしながら、伐採の必要性を判断しているのですが、折戸さんからはまた別の専門家から言わせれば伐採の必要はないとの見解がある・・・ということ。どちらが正解で、どちらが不正解であるのか・・・もう、そこを越えたところでの協議になっている気がしてなりません。折戸さんは「伐採するな」と言っているわけではないという主張もされていて、よくよく彼女の意見を聞くとするならば、やはり「住民の声を聞かずして、一方的に伐採計画を示した」という行政のやり方そのものについても異議を唱えていて、それこそが最も問題であると指摘をなさっているのではないかと個人的には受け止めるものです。住民の声を聞く、市民主権だと言いながら、「やっていることが違う!」という憤りがあり、その端的な事例としてモミジバフウの伐採もあげられるのではないか?・・・とそんな気もしました。私も何度も紅葉で素晴らしい景観のモミジバフウの下を車で通行しましたが、時々、信号を遮るような木もあるので、それについては今後の木の成長とも合わせ、木と木の間隔が狭いことを考えるとすれば、伐採が必要だと判断する行政の見解もわからないわけではありません。

ただ、あまりにも一方的で唐突に「伐採」とつきつけられて、周辺住民を含む市民が「そんなのありえない!」と驚きに変わり、「それは大変!伐採を辞めさせないと」と思う気持ちもまた理解できるものです。

「既にあるもの」「既にやっていること」

これからは、「既存」のものを時代に合わせて見直していくことがますます求められていく時代です。何もなかった時代とは違い、利害関係があり、その調整をしていくことがものすごく難しい。荒谷議員が質問で指摘をされていたように、総論としては理解できる方向性であっても、いざ身近な問題として示されたときには「さわるな、いじるな」と各論反対になることは目に見えている・・・多摩市の公共施設の見直し問題についても当てはまる状況ですね。そしてまた公共施設問題のみならず、各種手当をどうするのか、補助金をどうするのか・・・今後いろいろな問題で同じような状況が生まれることは想像に難くありません。

今日の最終の質問者で板橋茂議員が多摩ニュータウン再生方針のことについて指摘されていたように「住民不在にならないように」との点にどう対応していくのかが問われている。「今、ここに住んでいる人のことも考えて」というのは何よりも重視すべき視点であると思っています。でも、行政は決して、今、個々に住んでいる市民のことを無視しようとか、置き去りにしようとか・・・そんなことを考えているわけではないのです。別に擁護する必要もないですし、お世辞を言うつもりもありませんが、行政が「住民無視」でやろうとしていると見えていても、彼らは自分たちなりには「住民や市民の意見を聞いている」のです。ただ、意見と言うのは「百人百様」なので、その意見調整というか、合意形成をどうつくっていくのかが問われている。

それ・・・行政だけの仕事なのかな?って私は最近感じるものです。一方の議会ではどのように住民や市民の意見に耳を傾けているだろうか?そしてまた、私自身もまた同時に、どれだけの住民や市民の声をキャッチできているだろうか?って思います。だからこそ多摩市議会には26名という議員数があり、たった一人では拾い集めることのできない声を、26名で収集しながら、意見調整していくべきなんだろうって考えています。議会基本条例を制定したころのことをしみじみ振り返ってしまいますね。理想と現実・・・思うようには進まないけれど、小さな声や声なき声を大事にするというのもまた・・・議会基本条例の制定の時に出された意見だったなあとも思ったり。

 

「ここに住まう人のことも考えて!」は当然の主張です。ただ、そう発言している一人ひとりが思い浮かべている「住まう人」って?・・・というあたりも実は具体化して語れることもまた必要であり重要なこと・・・って教えてもらったことがあります。多摩市が将来に向けてどんなまちづくりをするのかが問われる今、私たち議員の仕事だって、行政と同じようにますます大変になってくるし、苦労も伴っていくのだろうなあ・・・・今回の一般質問を通じて最も感じさせられたことでした。

 

明日は補正予算の審議が中心に本会議が行われます!議場や控室や・・・やっと暖房工事が完了したようでよかった。「冷え」は健康の大敵ですから!