お役所仕事にセカンドオピニオンを

20151028

今日は多摩市議会の同世代議員が集まって勉強会。「建築・土木」のことについて専門知識のある市民の方からお話を伺うことができました。そして、建築物の寿命には物理的寿命もあるけれど、社会的使命から考えての寿命もある・・・という視点をいただき、今、進めている多摩市の公共施設の縮減計画に対しては、「セカンドオピニオンがない」・・・とのご指摘も。行政が提案してくるものについて、その内容を吟味するためには、もっと専門家の意見を聞いた方が良い、なおかつ・・・「市民の中には多様な経験をしている人がたくさんいて、もっと活かせるようにしないともったいない。」と。

そう・・・そう思います。例えば、マンションの管理を考えても・・・・それぞれの管理組合の中に大規模修繕を担当するチームをつくり、そこには第一線で活躍するプロが住民として関わっている場合がほとんどでしょう。よりよい修繕計画だったり、工事事業者の選定だったり・・・プロの目利きが活かされているところは少なくないでしょう。「よくわからないので、事業者任せ」にするのではなく、管理組合(=住民)が不利にならないような対応がなされています。

正直、議会で考えてみれば・・・・そういう意味でのプロがいるとは言えず、公共建築物に関する工事などについては「職員任せ」になりがちというのが現状でしょう。その工事に予定されている価格が本当に適正と言えるか、もっと言えば、工事そのものの内容の精査は万全か・・・・みたいな専門家でなければわからないことは多分にあるのだと感じます。もちろん、職員が不正を働いているとか、仕事を怠っているということを指摘したいのではありませんのであしからず。要するに、建築や土木の専門家がいるとは言い難い議会の現状を考えるとき、公共施設の縮減について、あるいは今後予定されているパルテノン多摩を筆頭にし規模の大きな公共施設ののメンテナンスなどなど・・・・きちんと見極めることができるのか?ということです。

 

行政に対し、予算の見積もり、その積算根拠を尋ねて・・・感覚として「高すぎませんか?」とは言えても、その先なかなか突っ込めない・・・・みたいな。

実は、私たち同世代議員は「見極める力量」をどう持つのか?が大きな課題だと共通認識を持っておりますが、例えばパルテノン多摩のメンテナンスについては築30年・・・当初は約30億円ほど必要だと試算されていたものが・・・・今は、それの2倍以上?になるのではないか?とも囁かれていたり、小中学校の大規模修繕にあたっても、1校あたり約5億円程度・・・・となっていたものが約2倍ほどに膨らんでいたり・・・・ここには人件費や資材の高騰という理由があるにせよ、刻々と状況も変わっていく現状に打つ手はあるのかどうかと危機感が募ります。傷んだところがひどくなる前にちょっとずつ丁寧にメンテナンスする「予防保全」ではなく、どちらかと言えば、傷んでからなおす「事後保全」により対応してきたのが現状で、その分余計にメンテナンス費用も大きくなってしまうとも指摘されます。難しいですね。

それにしても世代間対立は避けたいわけですが、同世代で話すとここ10年、20年と言ったことではなく、もっともっとその先のことを考えてどうするのか?という視点で共通見解を持てるのが良いですね。長年議員をやっていますが、ようやく同世代で横つながりができたことをうれしく思います。所属する会派は異なっていても、こうして場を共有できるのはやはり同世代だから。ここを活かしていきたいものです。しかし、お役所にセカンドオピニオン・・・本来、役所の仕事に対しチェックをする機能=議会にも一部、その役割が期待されているはずですね。ただし、議員一人が指摘をしたところで、なかなか対抗できるものではないことも確かですが。