「地域に生きる劇場」は実現できるか?

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明日から定例会開会です。今日は相談案件に対応し、それから市役所に行って、大野さんと勉強会開催に向けての打合せ、それから決算審査に向けて情報収集してからパルテノン多摩の大規模改修に向けて基本計画の検討委員会があったので傍聴に。娘は小学校最後の夏休みの最終日・・・だから何?!って感じなのですが、今年の夏休みはとっても慌ただしい夏で、遠出をすることもできないまま・・・・毎年欠かさなかったブルーベリー摘みにも行けずじまいで、ちょっと申し訳ないかなあと後ろ髪をひかれつつ・・・・出かけた朝でした。ただ、夏休みの宿題を少しばかり残していてくれたのは良かった・・・。

 

ということで、私・・・・パルテノン多摩の大規模改修について検討委員会の傍聴を終えて、ものすごい「心が重たく」なりました。正直言って、示されたスケジュールの中で大規模改修に向けて「いい計画」が練りあがっていくのだろうか?って・・・・思いながらも、それでも、何とかやりきってほしいという願いもありつつで・・・見守ってきたのだけれど・・・・・と。

 

今日の会議で、今の段階での「工事費概算」が示され、その額が80億円というもの。まだ概算とのことですがかなり緻密な積み上げとのこと。それでも、この金額・・・・「断念せざるを得ないところもあった」ということで、検討委員会の中で出されていた意見についてコスト的に諦めたところあり・・・という話でした。最低限やるべき内容、「マストMUST」なところだけでも59.5億円・・・・そこに、より親しみやすく、交流しやすく、利用しやすく・・・という要素を盛り込み、使い勝手の良さも入れ込んで、改修をするところで約20億円・・・・・。

けど、何と言うか・・・「ハコ」だけ立派になって、なかみがどうなっていくか議論がなくて、なさすぎて・・・・この金額に市民の納得を得るのはかなりハードル高い。この改修費用は残念ながら「高すぎる」としか受け止めてもらえない数字・・・というのが私の直感。そして、もし、「マスト」なところだけ、言ってみれば必要最低限のところだけは工事をして、他には手をつけないともなれば、それこそ陳腐な改修工事にしかならず、多くの人が集い、憩い、交流できるような施設として再出発させることへのハードルもさらに高くなるとしか思えない。それなら「工事する必要あるのかな?!」とさえ思えてしまいます・・・・正直言って。

 

「大規模改修して、いい施設になったね。」って言われるような改修工事。そして、運営についても大幅に改善していければ、必ず人が集まる場所に変わっていくと私は思っているのですが・・・・。甘いのかなあ。

 

今日の会議で選択肢は「80億円」しかない!みたいな提示に、さすがに慄いてしまった。傍聴者の方は「次世代にツケを残してはならない」とおっしゃるかたも多く、パルテノン多摩の大規模工事に疑義を抱く方々も少なくないわけで、基本計画の検討委員会に対し不信感たっぷり。もちろん、動かしている行政(市長)に対しても、「いい加減すぎる」という声も大きい。私のところにも、ポツリポツリとですが、パルテノン多摩に対する疑義の声が届いています。

 

そもそも、パルテノン多摩の改修費用として当初示されていたのは38億だか39億というレベだったものが、今年に入ってから、いきなり54億円かも・・・と示され、その後、マスコミなどでも80億円に上るようだ・・・と報道がされたりして、「カネがかかりすぎ」ということだけに目が行き、本来議論されるべき観点がやや置き去りの傾向に心配はしてきたのですが、ますます心配が膨らんでいくばかり。いわゆる文化施策というか「文化を育てていく」行政の役割はすみっこに追いやられ、その上で改修工事の議論だけが暴走している感じにも見受けられ・・・。

 

それにしても、なぜ、当初試算が数年で約1.5倍(38億円⇒54億円)に跳ね上がったのか理解できず、悲しいかな、素人目には工事の内容について説明は理解できたとしても、そのグレードや詳細が吟味できるようなレベルではなし。なので、改修費用の内容含め、もっとわかりやすく情報提供し、最終的な概算金額を提示していかなければ、裏付けがよくわからないままの「金額の一人歩き」になることは目に見えていたはず。策定委員の中からも「80億円!!!」に対する驚きの声も上がっていましたが、それ偽らざる市民感覚だと思うのです。策定委員会も建築関係に通じている方もいれば、そうではない方もいらっしゃるわけで、「どういう説明資料を提供することがふさわしいのか?」という点は、まさに行政の裏方が考え、準備する事項ですよね・・・・。

策定委員会はまだ今後も続くので、これからの議論の展開、どう転がっていくのかも私には読めませんが、少なくとも今日までのところで判断するとしたら、策定委員会における一定の合意に対し、・・・議会も市民も受け止めきれるだろうか?・・・という不安が先立ちますね。

「地域に生きる劇場」・・・今回の策定委員会の委員長をつとめてくださっている本杉省三先生と、私が会派のメンバーで足を運んだ可児市アーラの衛紀生館長が編者となってまとめられた一冊。パルテノン多摩も「地域に生きる」になってほしい。本杉先生はそんなパルテノン多摩になってほしいという思いを持ちながら、策定委員会を引き受けて下さったはず。一体全体、その思いをどう私たちは受け止めることができるだろう・・・とか思いながら傍聴していると、なんか、しっくりいかない。

 

行政はどこまで本気でやるつもりなんだろう?誰が、今回のプロジェクトをマネジメントしているのだろう?市全体で取り組んでいこうとする体制はあるのだろうか?・・・ちょっと疑問だらけ。

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多摩中央公園・・・すごい気持ちが良かった。この景色、空、みどり、水辺・・・いい空間。