「わたし」が主役になれる施設。

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子ども教育常任委員会の視察でした。 とても学びが多く、そして深かった。そして、やっぱり一人で行くのではなく、委員会で行けてよかった。塩尻市の「えんぱーく」と茅野市の「茅野市民館」。塩尻市は去年も見に行きたいと提案していた場所で、もし、今年行けなかったら一人での行くつもりだったので♪

2つの場所に共通していたのは「完成までに時間をかけている」ということ。もちろん、ダラダラ…と時間をかけているわkではありません。一定の目標年次見定めながら、しかし、市民にしっかり議論をしてもらう時間を確保しながら、「積み重ね」と「練り上げ」をしているところ。とても当たり前のことですが、「公共施設」ってやっぱり市民のものであって、市民にとって必要な施設にならなければならない。そして、そのためには完成までのプロセスがより重視されなければならないということ。

私たちメンバー全員が、パルテノン多摩の大規模改修への取組みを重ね合わせ、「えんぱーく」と「茅野市民館」でのヒアリングをし、そして施設見学をしました。できるだけ市民の知恵を結集したいと取り組んできたプロセスが、現在の施設運営につながっていることを目の当たりし、原点に戻らないととする気持ちが一層強くなりました。

「本当にこのままパルテノン多摩の大規模改修に80億円も投じていいのだろうか?」・・・そのことに対して私たちは胸を張って市民と合意形成できていると言えるだろうか?いい施設にするというのはどうことなんだろう?運営はどう見直されていくべきなのだろうか?

次々と問いかけがシャワーのように降ってきた気がしております。えんぱーくでは館内の飾りつけをされている市民の方がおられました。えんぱーくを支える市民の組織が存在していました。もちろん、茅野市民館も運営をささる市民組織が存在し、事業の企画運営などにも深くかかわっておられました。もちろん建築物としても現代的でガラス張りで、とても素敵で惚れ惚れするわけですが、それ以上に、その中で生き生きと活動する市民、自分の場所として利用されている方々の姿、くつろいでいる子どもたちの姿・・・見てきました。利用している人にとって、施設が「居場所」になっていることを肌で感じました。そして一度来たら、また来たくなる場所である・・・そんな雰囲気のある場所であることも感じました。

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茅野市民館の視察では・・・こんなの多摩市議会史上初めてではないかと思いますが、子ども教育常任委員会メンバーにプラスして、行政担当者とパルテノン多摩を運営する財団からと、あとは大規模改修の基本設計を担当されている事業者の皆さんの合同での視察と言うことで・・・恐るべし・・・・総勢22名でのヒアリングや見学となりました。

「何のために行政の人たち、私たちと一緒に視察に来たのかしら?」「視察に来るんだったら、もっと前に来るべきだし、何で今さら来ているの?」とポツリ池田議員がおっしゃっていたけれど、私もホント・・・それには同感。職員の皆さんは共に視察をし、どんな感想を持ち帰り、そして業務につなげ、活かしていくのでしょう?藤原委員長をはじめ、私たち委員全員が今回の視察を機にさらに他の場所へも足を運び、もっと勉強しないとと言う気分にもなりました。少なくとも私は、「こんなままじゃいけない」という危機感がますます強くなってます。

それにしても池田議員は視察先の2つの場所について、事前にきちんと学習されているところがすごいなって思いました。私のように「話を聞いてから考える」とかとりあえず現地に行ってみる・・・というのとは違って、視察するときのポイントを予め見定めておられたご様子・・・私も見習わないと。

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せっかくなので塩尻市から茅野市へ移動する途中の「すわのね」へ。パルテノン多摩と同じようなオルゴールや自動演奏楽器のコレクション!やはり、これだけのラインナップがあり、練られた解説があり・・・・観光地で見学先の一つになれるからこそ良いのでしょう。手回し体験してみましたが、かなり難しかった。

 

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そして、今日は比較的戻る時間も早く、夕刻からは自治労多摩市職員組合の定期大会へ。市長は「ともに市民のために頑張ろう」とエールを述べておられましたが、そのためにもリーダーシップ発揮してほしい・・・。委員長さんからは、労働組合での活動も黄色信号が灯っているとの挨拶もありましたが、何のために活動するのか、「つながる力」「まとまる力」・・・問われているのでしょうね。その後は今日が最終回だった庁舎の在り方検討会を傍聴しましたが、ここでも最後の重要な指摘になっていたのが「もっともっと庁舎の建て替えについて、市民にもPRしていくことが必要で、市民の中で論議を活発にしていくことが必要」ということでしたね。同じく傍聴していた市長も最後挨拶では「幅広く市民とも対話し、熟議を重ねたい」と決意を述べられていましたが・・・それはここのみならず、パルテノン多摩の問題でも同様のこと言えるのではないでしょうか?
より良い施設をつくっていくために不可欠な「市民との熟議」はどう尽くされているか?問い直し、問いかけたとき、私たちが考えるべきは?・・・って大きな宿題をもらい、多摩に戻ってきた気がします。特にパルテノン多摩で言えば、「わたし」が主役になれる場所と言うか、市民一人ひとりが「自分のもの」として愛着が感じられるような施設づくりをどう展開するかがカギになっていくでしょうね。
明日はパルテノン多摩大規模改修について市民説明会の最終回です。ご当地パルテノン多摩第一会議室で19時から行われる予定です。どうぞお時間ありましたらご参加ください。「ハロウィンin多摩センター」なんだけどな・・・。

 

居心地のいい場所。「わたし」が主語になり、使えるような場所。市民一人ひとり、「わたし」が主役になれる施設づくりをする。公共施設は誰のもの?をいかにして追求していけるのか?・・・そこには多くの労苦が伴うと思うのですね。でも、その努力を重ねた結果が、確実にその後の運営にもつながっていく。これだけは確信。