「ひと」中心のまちづくりと自転車と。

オランダから来日された皆さんと多摩市内ニュータウン地域を見学し、市長へも訪問をさせていただいて、多摩大学でのトークイベント開催…ということで、ようやく終わってホッとしています。オランダ政府から来日の許可が出るかどうかを気にしながら、そしてまた、多摩市として考えると、行政は継続性があるとはいえ、先月の市長選挙の結果がどうなるかも気にしながら調整をしてきたので、もう少し準備期間があれば、開催の仕方も変わったかなと思いつつ‥‥トークイベントは関係者のみ参加形式でしたが、参加してくださったみなさんからはとても好評でした。

阿部市長への訪問は当初はオランダ大使がいらっしゃる予定で段取りをしていましたが、諸事情によりそちらは見合わせることとなったものの、来日された皆さんをご案内することができ、「自転車文化」「自転車政策」のことを中心にディスカッションされていたのが印象的でした。

「車社会から‘ひと’中心の社会へ」

私は‘ひと’というよりも、‘いきもの’と考えているのですが、まさに、地球にやさしく…という視点からモビリティを考えていくことなんだと思っていますが、自分たち自身の意識…言っていれば、暮らし方生き方にもつながるテーマなんだなあとしみじみと思った次第です。

トークイベントで、多摩大学の松本先生が「私たちが暮らしを変えていくこと、今の便利さを手放すことって簡単ではない」とおっしゃっていたように、「自動車から自転車に変えていく」を自分自身の日常に当てはめても「変えることの難しさ」あるなって感じます。運転免許を取得してようやく10年にたどり着こうとしていますが、やっぱり、便利。

トークイベント、アーカイブあります。2時間以上と長いのですが、「シルバーペダル受賞!」の映像から理解できるのは、自転車専用道があるから96歳の高齢の方も安心して自転車に乗れるということかもしれません!(ぜひ、短いのでご覧ください。以下、クリックしていただけると映像からご覧いただけます)

ついつい目の前にある課題をクリアすることばかりを考えてしまうのですが、やっぱり、政策というのは長期的なビジョン、目標を持って少しずつ取り組んでいくことが大事で、必要だということを改めて学んだ気がします。一足飛びではできないですね…自分が関われないから、そこには手をつけないで置いておく、そっとしておく、見ないようにして触らない…ではダメですね。「ひと」を中心にして改めて生き方を問い直すことが求められる時代になっていることをますます感じている私としても、自転車を人々のライフスタイルに着々と根付かせていったオランダをお手本にしたいなあと思った2日間でした。

オランダの皆さんは「グラスルーツ」をとても大切にされていると言います。自転車の持つ可能性をグラスルーツとして多摩市のみならず、いろんな方と共有できるといいなあと感じています。魅力あるまちづくりとか、活性化とかそういう切り口以上に、私たち人間の生き方に関わること、今回来日されたみなさんが「わたしたちのハピネスにつながっていく」と強調されていたことをしっかり受け止めたいと思います。ハードウェア、ソフトウェア…そして、オルグウェア。