「こどもまんなか」への理解。

昨日に引き続く、研修会への参加。まずは、グループに分かれて、昨日受講した講座の振り返りで意見交換。せっかくなので、昨日の実践報告にあった「多摩市子ども・若者の権利を保障し支援と活躍を推進する条例」について一言は伝えておきました。なぜなら、昨日はとてもバッチリすぎる説明が行われていましたが、大事な点が抜け落ちていた気がするからです。というのも条例策定過程で重要な議論の経過が説明されていなかったと…私は感じていたから。特に「子どもの権利」を大人がどう意識しているのかを明らかにしたエピソードこそ重要だと思っているからです。

今は、第4条の「子ども・若者の権利」については、が下記のように調えられというか、表現され、全面的に書きぶりが変わり、落ち着いた条文になっているのですが‥‥。

(子ども・若者の権利)
第 4 条 子ども・若者には、生き、育ち、守られる権利があり、抱える困難に応じて必要な支援を受ける権利があります。
2 子ども・若者には、社会の一員として、意見を表明し、暮らしやすいまちの実現に向けて参画する権利があります。

当初示されたときには…。

(子ども・若者の権利と役割)
(1) 自らが大切にされるべき存在であり、守られるべき権利があることを認識 するとともに、他者への思いやりを持ち、他者に配慮して行動するよう努めること。
(2) 自らも、子ども・若者の成長・活躍を応援するまちをつくる、地域社会の一員であるという認識のもと、まちづくりへの参画に努めること。

となっておりまして、全く違う内容でした。そして、私、これについては噛みついた点でもありました。「これは違う」と。こんな内容で条例を制定するのはまっぴらごめん…と思った箇所でした。まるで自己責任論押し付けの「子ども・若者の権利」ということで「子ども権利条約」のことをどう理解しているのかが露呈される内容でした(もともとの条例文案…いろんな意見に揉まれて修正等された箇所はこちらから見ることができます。)。「わー、まじかー。」と…いうそんな感じで驚きを越えて、ガッカリと言うかガックリきたところ。

 

私はそもそも、子どもの権利条約で言う「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」のことを理解すべきは子どもよりも前に大人たちではないの?…と思ってきましたが、やっぱり、そうだったという確信。「こどもまんなか」ってどういうことなのかを考えなければいけないのは大人社会であることは間違いないわけですが、しかし、これまで多摩市でも必死になって子どもの支援をしてきたときの向き合い方が…「これだったの?」とも思えたりして…つまりは、子どもたちを捉えてきた多摩市政の「立ち位置」が明らかにされたことにショックだったというのか。

その意味で、いろいろな議論を重ね、最終的な条例文案が成案される過程では良い方向にアップデートされたことに胸を撫でおろしていますが、そこに確実にあるのは「大人側の学び」だったのではないかと思うのです。ここはとても大事な点。なぜなら、どのように大人側の認識を発展させていけるのか、どんな議論ができれば、本質的なところに働きかけていくような具体的、有効な方策ができるのか。上から目線風に言えば「啓発事業」というかたちで、広報などにも取り組んでいくときのヒントは、こうした議論の過程を振り返ることで見えてくるような気がするからです。

「こどもまんなか」(政府与党も使っている用語)…多摩市制50周年の時にも使用されていましたが、今後、このスローガンをもとにどうやって施策を展開していくのか、国の動きはもちろんのこと、国以上に「条例策定」をした多摩市の取組みが問われますね。「こどもまんなか」にできるかどうかは、まさに大人側の在りように寄るところが大きい…どう考えても、いくら考えても…私の考えと結論はココ。

他市の議員の皆さんと意見交換をし、改めて感じたのは「公民館」の役割。これについては、もう一回、勉強し直さないといけないと感じています。多摩市の公民館の今後、あるいは、そこに図書館も加えてかもしれませんが、未来のためにアップデートしていく視点を持ち続けなければならないと感じています。「貸館に徹する」なら、そうした方が良いのでは?…という意見もありそうですし。

ということで、「子ども観」を私たちがどう考えてきたのか、磨いてきたのかも含めた歴史的な経緯についても学ぶことができ、こうした場所で勉強しようと全国から集まってこられる意識の高い議員の皆さんからエネルギーもいただくことができ有意義な2日間でした。良き学びと良き出会いに感謝です。

 

明日明後日はマンションで夏祭り。感染症対策をしながらの開催になりますが、実に3年ぶり。こうしたイベント開催も中止をすると、開催するためのノウハウその他の継承が難しくなっていくことを感じています。マンションの場合は特に、管理組合の役員さんが任期交代ということもあるので。コミュニティ、あるいは地域をいいかたちで継承していくためには支え手というか担い手のメンバー交代にもコツがいりそうですね。コロナで中止になっているイベント、あるいは夏休みの旅行なども中止余儀なくされている場合もあると思っているので、ささやかかもしれませんが、お互いに気遣い、気を付けながら無事に2日間終わることを願いつつ…私もちょっぴりお手伝いします。