「こどもかいぎ」上映会。

ベルブホールでの「こどもかいぎ」上映会。大々的な宣伝をせずに実施して、それでも、アンテナにひっかかって、ポスターをご覧になったり、Facebookでの告知をご覧になった方が足を運んで下さり、「うまれる」の監督である豪田トモさんの作品で、豪田監督は多摩市の出身で。そんなつながりでも来場してくださった方もいらっしゃり。

そして、阿部市長もひょっこりと来てくださり、上映した後に一言感想を含めて挨拶をしてくださったのですが…。

突然、「ここで、ちょっと大人と子どもで会議をしてしましょうか。」と自ら…フリを。そして、一緒に鑑賞した子どもたちにマイクを向けて「どうだった?」と感想をインタビューするという…すごく面白い光景が生まれ、マイクを向けられた子どもも周りの私たちもびっくり!…。

映画に出てくる保育園は…「あ、私の知ってる方が出てる!」ということで、市内ではないのですが、近くにあるこども園だなあと思いながら見ておりました。子どもたちどうしのトラブルを大人がすぐに介入して解決するのではなく、子どもたちが自分たちでお互いの気持ちを出し合いながら、話し合いができるように促していく。「ピーステーブル」と呼ばれる子どもたちどうしが話し合いをするためのテーブルとイス。自分の気持ちを自分なりに言葉にしながら、相手に伝えていく、理解してもらえるように話しをしていく…そんな訓練と言うのか、「対話をすること」を大人が見守りながら、子どもたちが学び合いをしていく姿は見事です。

そして、「こどもかいぎ」の時間は大人にとっても試練の時間。じっと座って話し合いをすることがそもそも難しいのが子どもたち…「かいぎなんてしたくないな」と中には思っている子どももいることでしょう。参加する、しないも含めて、基本的には子どもたちの意思に任せるとはいえ、みんなで車座になって、先生が子どもたちに「お題」を出しながら、一人ひとりの気持ちを聞き、そして、周りの子どもたちも一人の意見に耳を傾けながら、それについて自分の意見を述べたり感想を述べたり…。

「自分の経験を言葉に出すことがまた経験になっていく。」

と言うように、自分の心を言葉にしていくことは難しく、言葉にしたことをさらに周りに理解してもらうことの難しさも学んでいくんだろうなあと。そして、「こどもかいぎ」で子どもたちからの発言を聞いて、大人もハッとさせられたり、日常の保育の中で子どもたちの声を聴けていなかったなあと反省するような場面もあるようでした。最初はずっと黙って、じっとしていて、発言することが苦手でかいぎに加われず、声が出なかった子どもも回数を重ねるうちにその場に心を開けるようになっていく姿には心が揺さぶられました。

大人は子どもに教えたり、伝えたりしなければならないこともたくさんある。でも、一方で、大人もまた子どもから多くのことを学んでいる。

私も子どもから教えてもらうことも多いなと思うのですが、そのことを改めて実感させられるような映画でした。「どうせ子供なんだから」という考えを一旦置いておく…これが子どもと接するときに必要不可欠なんだろうなあとしみじみと感じるのですが、自分自身がそういう態度で特に我が子と接してこれたかは疑問ですが。

「対話をする」

というのは、言葉で言うほどに、簡単なことではありません。いきなりできることではなく、その経験の積み重ねがあってできていくことのように思います。とにかく、せせこましいというのか、せわしいというのか、急ぎで急いでと求められる世の中で、じっくり、「じっと待つ」ということをしながら、子どもの成長を日々見守っていけるような環境を確保することがそもそも難しくなっていると感じていますが、その中で、「対話する」ことそのものが大事なことはわかっていても実践しにくくなっているのではないかしら?

一人ひとりの子どもの育ちのスピードを尊重しつつ、「対話する」…なかなかハードルが高そうです。そして、子どもたち同士の「対話」を上手に見守っていくことのできる大人の力量も問われる気がしました。

でも、やっぱり、子どもたちの発想は自由で豊か。そして、子どもたちはじっと大人たちを見ているんだな…とそのこともビンビン伝わってくるドキュメンタリー映画でもありました。子どもに関わる多くの方にご覧いただきたい作品でした。

私のお友達の絵画作品展を見てきました。とても見ごたえがあり、1300人を超える子どもたちの絵画、造形が展示してありました。子どもたちそれぞれの作品に自分でつけたタイトル、工夫をしたところが書いてありました。受験生である中学生が自分の気持ちを表現した絵などは、その子の気持ちが伝わってくるようでもありました。

  

夏祭りの屋台に並んでいる食べ物とか、ドーナツとか、ケーキとか…ついつい目が行ってしまいます。

 

そして、動物園からはかわいい動物たちの声が聞こえてくるようでした。私も紙粘土とかすごく好きだったので、懐かしさを感じながら、子どもたちの作品を見て、夢とかエネルギーを感じるひとときでした。

子どもたちの可能性はやっぱり無限に広がっていて、その可能性をどこまでも後押しできるような社会になっているか、地域であるかが問われているのだなあと…ちょっと小難しく考えながら、帰路についたのでした。多摩市でも確か、年明けには小中学生の美術作品展が行われるはずだけれど…今年も開催されるのかな。楽しみ。